解体して更地にしてから売った方が良い?

解体して更地にしてから売った方が良い?

 

「家はもうかなり古いから解体して更地にしてから売った方が売れますか?」ご売却相談のお客様からよくいただく質問です。

建物を解体して更地にしたほうが、早く買い手が見つかるのではないか?
築年数が古く、建物の状態が良くない戸建ての売却を考えた時、このように思う方もいるのではないでしょうか。

たしかに、古い建物が建っているなら、解体したほうが早く売却できるケースはあります。買主負担で建物を解体する必要がなく、買手がつきやすくなることもあるからです。

しかし、解体費用は家の広さや接道状況などにもよりますが、数十万円から数百万円になり、いつ売却できるかは不確定な要素ですので、販売開始前に建物を解体して更地にすることはオススメしません。

結論からいえば、古い建物は解体せずに「古家付き土地」として売り出すことをおすすめします。古い家があっても「土地」として販売ができます。土地を購入して新築を建てたい方や中古戸建てをリフォームして住みたい方にもアピールできます。

本記事では、建物を解体して更地にしてから販売する場合の、メリットとデメリットについてお話します。

 


-更地にしてから土地を売り出すメリット-

古い家を解体し、更地にしてから売り出す場合のメリットをご説明します。

◎売れやすくなる可能性がある
土地を探している人は、自分たちの希望を反映した家を建てたいと考えています。更地の場合はそのイメージがつきやすく、購入の判断がしやすいのです。また、古家があれば解体費用が必要になることや、解体工事の期間や登記の手続きなどで、家の着工が遅れる点も買主にとっては大きなデメリットです。
古家がある状態よりも、更地として売り出したほうが買主の負担が減り、結果早く売却できる可能性が高まります。

◎地中埋設物の有無を確認しやすい
地中埋設物の有無を確認しやすい点も、更地にするメリットのひとつです。
地中には、古い建物の基礎や廃材、古井戸、浄化槽などが埋まっていることがあります。これらを総称して「地中埋設物」と呼びます。
地中埋設物の存在は、建物があるときは目視での確認は事実上無理があり、売却後、買主がいざ家を建てようとした際に発見されることも少なくありません。万が一、古家の売却後に地中埋設物が見つかった場合、買主から契約不適合責任を問われて撤去費や損害賠償を求められる恐れもあります。
参考記事:契約不適合責任とは 

 

地中埋設物に関するトラブルを避けるためには、古家の売却前に土地の調査を行い、現状を買主にしっかりと伝えることが大切です。

 

-更地にしてから土地を売り出すデメリット-

つづいて、古家を解体し、更地にしてから土地を売却するデメリットをご説明します。

◎100万円以上もの解体費用がかかる
古家を更地にするには、数百万円もの費用をかけて建物を解体しなければなりません。
解体費用は建物の構造や面積、工事の範囲、立地などによって異なりますが、構造別の解体費用の相場は以下のとおりです。

木造              坪3~5万円
鉄骨造             坪4~6万円
鉄筋コンクリート造     坪6~8万円

たとえば、40坪の木造住宅を解体する際の費用の目安は120~200万円が目安になります。

◎建物の解体前と比べて固定資産税が6倍になる
毎年1月1日時点における不動産の所有者には固定資産税が課されます。固定資産税の計算方法は以下のとおりです。

固定資産税=固定資産税評価額×1.4%(標準税率)

居住用の住宅が建っている土地に関しては「住宅用地の特例」が適用され、以下のように税負担が軽減されます。

200㎡までの部分(小規模住宅用地)    固定資産税評価額×1/6×1.4%
200㎡超の部分(一般住宅用地)     固定資産税評価額×1/3×1.4%

しかし建物を解体してしまうと、住宅用地の特例が適用されなくなり、固定資産税が高くなります。

例として、100㎡の土地の固定資産税評価額が3,000万円と仮定した場合の、
古家がある場合と更地にした場合の固定資産税を比較してみましょう。

①古家がある場合の固定資産税
「固定資産税評価額×1/6×1.4%」の計算式より、
固定資産税=3,000万円×1/6×1.4%=約7万円

一方、古家を解体して更地にすると、固定資産税は以下のように上がります。

②更地にした場合の固定資産税
「固定資産税評価額×1.4%」の計算式より、
固定資産税=3,000万円×1.4%=42万円

更地にした土地が売却できない期間が長く続くと、固定資産税の負担が重くなってしまいかねない点もデメリットのひとつです。


◎解体しても売れるとは限らない
ここまでお話ししたように、古家を解体して更地にすると解体費用がかかり、固定資産税も上がってしまいます。しかし、費用をかけて更地にしても、土地の形状や接道状況、立地条件などによってはなかなか買い手が見つからないおそれがあります。
人気のあるエリアであれば更地にしたほうが早期売却を期待できますが、需要が低いエリアの場合や相場価格が低いことが予想される地域では、売却までに時間を要する可能性も高く、解体費用分が赤字になるリスクもあるのです。

 

まとめ
古家の処分にあたって更地にすべきか迷ったときは、まず「古家付き土地」として売り出すのが良いです。その他、売主の負担を軽減する業者買取なども検討できますので、不動産の状況状態や、売主の都合に合わせて最適な売却方法を提案してもらうことをおすすめします。

監修者情報

  • 代表 稲葉 昇久
  • 株式会社チームニッコークリエイティブ
    松戸不動産情報館

    代表 稲葉 昇久

    代表挨拶

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